もう10年以上前の、ある日の授業後、まだ教室にいた私に、一人の生徒が質問をしてきた。たいていはその日の学習内容に関しての質問だが、その日は違った。
そのクラスの、ムードメイカーのような存在の、明るい男子生徒が私に聞いた。
「先生、質問なんですけど、俺、ファンキーですか?」
「えっ!?」
「俺ってファンキーだと思いますか?」
彼は、アフロヘアでもなければ、アフリカ系でもなく、サイケデリックな服装をしていたわけでもない。
「そうは思わないけれど。」と答えると、彼はうれしそうに「よかった。」と言って笑った。
「なぜ、自分がファンキーかと思ったの?」と問うと、彼は言った。
「俺 funky だって外国人から言われたんです。で、辞書で funky の意味を調べたら『いやな臭いのする』って書いてあったんです。俺、汗クサイんじゃないかと。」
ええええ~っ!!? そんな意味もあるのっ!?? 辞書を見たら、1番目に確かにそうある。でも、私が思うに、やはり彼は明るいノリノリの性格ゆえに、3番目に書いてある「すばらしい、いかした」の意味で言われたのだと思うよと、辞書のそのページを見せつつ言ったら、彼は心底安心したようだった。
「そうは思わない」と私が言ったのは、日本で「ファンキー」といえば1960年代のアフリカ系アメリカ人の音楽や当時のファッションのイメージだから、そういう感じはしないよという意味だと伝えた。
彼は「ファンキーってそうかなとも思ったんですけど、辞書の1番目に書いてある意味がやはり気になって…。」と、自分の体臭を言われたのではないかと心配していた。君がクサイなんて全くない!とクラスの男女もみんなで彼に伝えた。彼は「な~んだ、よかった!!!」と笑顔に。

辞書の最初の意味にそうあるから、その意味だと決めつけるのは、早いぞ。
同様に、「~でなくてはいけない」などと決めつけることは、自分で自分の世界を制限してしまう。あなたの可能性は無限大! 決めつけず、自由自在にこの世を楽しんでいこう♪
2021年も、どうぞよろしくお願いいたします。
「現在 今この時(present)」は、宇宙からの贈り物。今日もありがとう。